一定の条件(4)青色事業専従者給与は、労務の対価として相当であると認められる金額であること
 
 労務の対価として相当でなく、過大とされる部分は必要経費とは認められません。また、給与をもらう側にも、過大とされる部分の金額については、贈与により取得したものとして取扱われ、贈与税が課税されることになります(相続税関係個別通達昭和40年10月8日直審(資)4)。なお、労務の対価として相当であるかどうかは、以下の判定基準によります。以下の全ての判定基準に照らして、「労務の対価として相当な額の専従者給与」のみが必要経費に算入されます。
次のチェックシートの全部に、○がつけば、OKです。
判定基準 チェック
(1) 青色事業専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度
いわゆる「貢献度」に照らして、給与が適正である。
 
(2) (ア)その事業に従事する他の使用人が支払を受ける給与の状況、及び(イ)その事業と同種の事業でその規模が類似するものに従事する者が支払を受ける給与の状況
いわゆる「世間相場」に照らして、給与が適正である。
 
(3) その事業の種類及び規模並びにその収益の状況
いわゆる「儲かり具合」に照らして、給与が適正である。
 
 
なお、税務調査の際に問題となるのは、(2)のいわゆる「世間相場」との比較が多いです。(2)「世間相場」を分析すると、以下の2つに分けることができます。
(ア)その事業に従事する他の使用人が支払を受ける給与の状況
(イ)その事業と同種の事業でその規模が類似するものに従事する者が支払を受ける給与の状況
 
 (ア)は、ようするに医院で働く他のスタッフと比べて、青色事業専従者の給与が高すぎないかということです。医師・歯科医師の方の中には、例えば、「他のスタッフと比べて、私の妻はよく働いている」と思う方もいらっしゃるでしょう。確かに、医院・歯科医院の多くが、事業専従者の献身的な働きに支えられていると思います。ですから、他のスタッフと比べて、青色事業専従者の給与が高くても、一般的に問題ありません。ただし、度を超えると問題が生じるということなのです。また、会社における役員と違って、個人事業における青色事業専従者の立場は、経営陣ではなく、純粋な働き手となります。つまり、いくら他のスタッフよりも、一生懸命に働いてくれるといっても、客観的に、同程度の働きをしてくれる赤の他人を雇用した場合、いくらの給与で支払うかということで算定しなくてはいけないということです。
 次に(イ)のいわゆる「同規模同業他診療所」との給与比較ですが、これは非常に難しいものがあります。同規模の医院・歯科医院が、事業専従者に対していくら支払っているかは、国税局以外は、まず、調べようがありません。ただし、裁判例においても、支持されている判定基準なのです。つまり、青色事業専従者の貢献度が高く、また、事業自体がいくら儲かっていたとしても、「同規模同業他診療所」より、高すぎる給与であるならば、税務調査の際に否認され、裁判になっても勝ち目が、ほとんどないということになります。
トラブル防止のためにも、個人的には、規模・業種別の事業専従者給与のデータは、国税局に公開をしてもらいたいと思うのですが、しばらくは、まずないでしょう。
 
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