「専ら」従事しているとは
 
 青色事業専従者になるための条件は、期間だけではなく、「専ら」従事していることも必要とされています(所令165A)。「専ら」従事しているとは、その職業に従事することに専念していることを意味しています。
 なお、以下のような人は、「専ら」従事することができないとされます。次のチェックシートのどれかに、○がつけば、「専ら」従事することができないとされます。
状況 チェック
(1) 一般的な学校の学生。ただし、夜間において授業を受ける者で昼間を主とする当該事業に従事するもの、昼間において授業を受ける者で夜間を主とする当該事業に従事するもの等は除く。  
(2) 他に職業を有する者。ただし、その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く。  
(3) 老衰その他心身の障害により事業に従事する能力が著しく阻害されている者  
 なお、医院・歯科医院においての税務調査の際に問題となるのは、(2)の「他に職業を有する者」が多いです。
 ここでのポイントは、原則は、他に職業をもっていたら、青色事業専従者にはなれないということになります。ただし、実情に合わして、他に職業をもっていても、その職業に従事する時間が短かったりして、本業である医院・歯科医院の従事に影響がなければ良いということになります。
 つまり、ポイントは、他で働いてもよいが、本業に影響を与えるような働きではダメだということになります。
 なお、青色事業専従者が、これから医院・歯科医院の他でも働き始めるといった場合、今まで支払っていた従前の給与を引き下げるべきかどうかと相談にこられる医師・歯科医師の方がいます。ただし、その考え方は、基本的に間違っているといえます。
 まず、考慮すべきことは、これから始めようとする副業が、本当に今、専ら従事していることに影響を与えないかということです。影響を与えるならば、給与を引き下げるということではなく、青色事業専従者になるための条件を満たしていないため、必要経費にならないということです。
 ただし、他で働き始めても、ちょっとしたものであるならば、今まで通り、医院・歯科医院での業務に「専ら」従事することができると考えられます。この条件を、満たしていることを確認してから、従前の給与を引き下げるべきかどうか検討します。なお、医院・歯科医院で支払う給与の金額の設定ですが、青色事業専従者が、他の職場でもらう金額に左右されるものではなく、あくまでも本業をベースにして給与を決めるべきです。つまり、例え、副業を始めたとしても、本業である医院・歯科医院の働き具合等が、従前と変わらない場合は、給与を引き下げる必要がないということになります。ただし、一般的には、青色事業専従者が他に勤務すれば、医院・歯科医院での業務に従事した期間及び労務の提供の程度は減少するのですから、給与の額も従事の減少分に対応して減額するのが自然です。
 なお、大前提となるのですが、従前支払っていた給与が適正な金額である必要があり、それをベースにして減額するということになります。なお、給与の適正な金額の決め方はこの後に、書かれております。
 
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